成功の秘訣を見せてもらおう

将来の開業に備えた医師の転職

将来、開業を視野に入れているのであれば、クリニックに転職して、院長が実際にやっていることを自分の目で見て勉強すべきと言われています。 確かに院長がクリニックをどのように運営して、どんな手腕を振るっているかを見るのは非常に勉強になるでしょう。 しかしながら経営が順調なクリニックほど、全てが地域にマッチしており、特別な配慮はしていないように感じてしまうこともあるはずです。 実際にクリニックに転職した場合、どこに着目しておくべきなのか、またどこに開業を成功させる秘訣があるのかをご説明しましょう。

どんな将来像を描いているか

院長がそのクリニックを将来的にどうしようと考えているのかは、クリニックの診療科や診療内容、立地、患者層、自由診療の有無、外観などから総合的に判断できます。
例えば自由診療をメインとした歯科クリニックなどでありながらも駐車場がなく、綺麗とも言えないビルに入っている場合には、コンセプトと外観などが合っていないことになります。
また近隣住民層と診療内容などが合致していない場合にも正しく将来像が描けていないと言えます。
診療内容や立地などの全てはそのクリニックの将来像にマッチさせるべきであり、自分の将来と重ねて見ておくべきでしょう。

クリニックに患者が来る必然性があるか

医師の開業はビジネスとして見るべき事柄です。
医師として知識やスキルが備わっていたとしても、クリニックを経営し続けていくためにはそれだけでは不十分です。
クリニックは、他といかに差別化できるか、そのクリニックに患者が来る必然性があるかが重要です。
例えば地域の中でどれだけ同じ診療科があり、どの程度離れているかなどだけでなく、ライバルとなるクリニックは何を得意とするのかなども見ておく必要があります。
また近隣の患者だけが来るのか、遠くからでもわざわざ来るのかなども重要な要素です。
近隣の患者だけが来る場合は、地元に根付いたクリニックと言えますが、遠くからでも患者が来る場合は、それだけの意味があるクリニックであるからです。
その意味を理解しておくべきでしょう。

クリニックの接客業としての方針

クリニックは病院などと違い、よほど突出した優位性が無い限りは、患者を不快にさせないようにする必要があります。
すなわちクリニックといえどもサービス業的要素が求められるのです。
例えば常に入り口をキレイにしておく、ウォーターサーバーを設置する、患者の愚痴を聞いたり、世間話をするなどもサービス業的要素と言えます。
転職先のクリニックが患者を不快にさせないために重視しているポイントはどんなもので、なぜそのポイントを設定しているのかを理解することで、そのクリニックの方針が見えてきます。

経営を法人もしくは個人にした意味

クリニックであっても、開業に際しては個人経営だけでなく、法人化することもできます。
個人経営と法人経営のどちらにもメリットやデメリットがあり、一般的には法人にすると事業そのものを大きくでき、税金対策にも効果的ですが、決算があったり、金銭を自由に扱えなくなるなどのデメリットがあります。
一方、個人経営の場合は面倒な管理も少なく、金銭も自分の裁量で自由に運用できますが、税率は高くなり、借入も経営者個人が行うことになるなどの面もあります。
転職したクリニックがどちらで経営していて、そのメリットが十分に活かされているか、デメリットを少なくできているかを把握することは、今後のクリニック開業に参考になるはずです。

経営状態を把握しようとしているか

クリニックの診療報酬は収入に直結しています。
院長が経営状態を把握するためにどのような方法をとっているか、また常に正確に把握しようとしているかどうかを知ることは、将来クリニックを開業した際の参考になるはずです。

患者やスタッフを確保するための手段

クリニックを含め、医療機関が広告で訴えることができる内容は限られていますが、それでも広告は患者に対してクリニックの存在を知らしめるための重要な手段です。
最寄り駅の看板や電柱広告、地元フリーペーパーなど、転職先のクリニックはどこに、どんな広告を掲出しているかを把握しておくべきでしょう。
また看護師などのスタッフを募集する際にはどのようなメディアを活用しており、その効果はどの程度のものかも把握しておくべきです。

将来の開業のために

ここで記述した内容は、転職したクリニックで勤務していれば見ることができる事項です。
実際にクリニックを開業した際には、これら以外の要素も必要になってくることも多いでしょう。
しかしながら開業を成功させている院長の行動は十分参考になるはずです。
しっかりと把握し、将来に備えてください。