医師が過重労働に疲れてしまった場合の転職

医師が過重労働に疲れてしまった場合の転職

転職が過重労働から医師を救う

医師が過重労働に疲れてしまった場合の転職

医師の仕事は非常に重労働です。 一般企業であれば明らかに問題になるような残業時間が月100時間を超えるようなケースも、医師の場合は比較的多く見受けられます。 なぜ医師の仕事はこのような勤務になってしまうのでしょうか。 またこのような過重労働に疲弊してしまった医師はどうすれば良いのでしょうか。

 

日本の医師の勤務時間

医師の仕事は非常に激務だと言われていますが、実際にはどうなのでしょうか。
独立行政法人労働政策研究・研修機構によると、勤務医における週間労働時間の平均は53.2時間になるそうです。
一方、医師以外の労働者における週間労働時間の平均は38時間でした。
これだけでも医師がどれだけ重労働なのかが分かります。
また過重労働に陥り、一週間で60時間以上働いている、つまり過労死の危険ラインである月80時間を超える残業をしている医師はおよそ4割にものぼるそうです。
ヨーロッパでは一番勤務時間の長い医師でも週55時間と言われていますので、明らかに過重労働と言えます。

なぜ長時間勤務に陥るのか

ではなぜ日本の勤務医はこれほど長時間労働に陥ってしまうのでしょうか。
国は民間企業における残業時間を年間で720時間以内に収めること、ひと月当たり100時間を超えないようにすることを目指して動いています。
しかしながら医師にこれらの指標をそのまま当てはめることは困難です。
医師は患者が診察や治療を求めれば、応じなくてはいけないことが根底にあります。
また医師独特の当直というシフトも原因の一つです。
夜に患者が急変したり、救急があると対応しなければならず、仮眠できない状態で翌朝から通常通り勤務しなければならないなどもごく普通に行われています。
これ以外にもオンコールへの対応も原因になっています。

医師の労働環境改善に向けた国の動き

上記の項で記述したように、国は民間企業に対しては残業時間の上限を定める法案を提出しようと考えています。
しかしながら、現状の対象はあくまでも民間企業に対してのみであり、医師に対しては法案が通過してから5年間の猶予を設けるようです。
これは言い換えると、医師の過重労働に制限がかけられるまでまだ時間が掛かるということだけでなく、どこまでの制限が設けられるのかも現時点では明確になっていないということでもあります。

過重労働をしないための転職

ではこれらの荷重労働をする必要がない医師の転職とはどのようなものなのでしょうか。

過重労働にならない労働条件の医療機関への転職

最も効果的な転職としての選択肢は幾つかが考えられます。
その中でも効果的な転職は、勤務体制が荷重労働にならないように考えられた医療機関への転職です。
昼間の勤務時間だけでなく、当直やオンコールの体制なども過重労働にならないよう配慮された医療施設への転職が最も効果的です。
転職で考えられる選択肢として、QOLを重視できる診療科へ転科する、非常勤医師としてのみ勤務する、高齢者向けの医療施設へ転職するなどの方法も考えられます。
しかし転科は医師の一生を左右する課題であり、非常勤のみの勤務は年収をダウンさせる危険があります。
また高齢者向け医療施設への転職は、比較的経験豊富な年配医師を院長や施設長で勤務してもらうことを考えている場合がほとんどであり、全ての医師にあてはまるものではありません。
そのため、過重労働にならない体制を整えた医療機関に転職するのが最も有効だと言えるのです。

独立開業する

もう一つの選択肢として、独立してクリニックなどを開業する方法があります。
クリニックの患者は慢性疾患や比較的軽度の疾患患者です。
そのため勤務時間も長くならず、QOLを確保することも可能です。
ただし独立開業には大きなリスクも付きまといます。
またいきなり開業を目指すことは経営に関する知識もなく、難しいため、開業を視野に入れてクリニックなどに一度転職し、院長の経営方法などを参考にするべきでしょう。

転職サイトを活用して労働条件を確認

どの勤務先に転職するにしても、必ず労働条件は応募前に確認しておかなければなりません。
求人情報だけでは分からない場合や、実際に勤務してみると求人情報と異なるケースもあるからです。
転職サイトではコンサルタントがしっかりとフォローしてくれますので、詳細を把握することが可能です。
転職サイトを有効活用して労働条件をしっかり確認しましょう。