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医師の働き方には昔から常勤と非常勤がありましたが、医師不足の現代では非常勤医師の働き方に対し、特に関心が高まっています。 医師不足の現状は、普通でも忙しい医師の仕事を激務にしています。 仕事に対する価値観の変化によって、激務を避け、QOLを重視する医師も増えてきています。 以前は常勤で働いていたが、今は非常勤で働きながら休日は家族と過ごしたり、趣味に興じている医師も多いです。 非常勤とはどのような就業形態なのでしょうか。 ご説明しましょう。
目次
常勤医師とは、同じ職場に一日8時間以上勤務している状態が週に4日以上、すなわち32時間以上勤務している医師を指します。
一方非常勤医師とは、特定の勤務先で、一週間に最高三日勤務している状態を一年以上続けている医師のことを指します。
基本的には毎週同じ曜日の決まった時間に勤務しており、定期非常勤医師と呼ぶこともあります。
非常勤医師として勤務している医師は多く、常勤医師が他の医療施設で非常勤として勤務しているケースも多く見受けられます。
非常勤の最も大きなメリットは、収入の増加です。
常勤としての給料に付加して、非常勤勤務の給与が収入に加わるわけです。
また医師の給与を時給として換算すると、常勤医師よりも非常勤医師の方が時給は高くなる場合がほとんどです。
そのため開業医として独立したばかりで、まだ患者数が少ない医師が収入を確保するために勤務しているケースもあります。
非常勤医師は、急患やオンコールなどで呼び出されることはありません。
そのため、決まった曜日の、決まった時間のみ勤務していれば良く、プライベートを犠牲にすることはありません。
子育て中の女性医師などにも適した勤務の形態です。
医療機関によっては、特定の疾患に対して実績があったり、得意としている疾患があるなどのケースも多いでしょう。
この場合、その疾患に該当する患者は多く来院しますが、それ以外の疾患患者は少なくなるということでもあります。
そのような医療機関に勤務する医師が、非常勤で別の医療機関に勤務すれば、多くの症例を診ることになり、医師としてのスキルを高めることにつながっていきます。
つまり医師が経験値を稼ぐのに非常に有効な働き方と言えるのです。
女性医師などが出産や育児で医師を休職後に復帰する場合、いきなり常勤医師と同様の働き方をするのはハードルが高いでしょう。
医師としてのカンを取り戻すためにも、非常勤で勤務する方が安心できるはずです。
常勤と非常勤を一般社会に当てはめて考えると、常勤は社員勤務になり、非常勤はアルバイト勤務と言えます。
そのため非常勤医師は、勤務する医療機関への就業が保証されているわけではありません。
いつ非常勤勤務が無くなるかもしれないため、常に不安が伴います。
さらに、複数の医療機関を掛け持ちしている場合には、それぞれの医療機関独自のルールに従わなければならないばかりか、それぞれの人間関係に合わせて勤務していく必要が出てきます。
どのような環境でも働くことができる医師に向いた働き方と言えるのかもしれません。
医師の世界では、寝食を忘れて仕事に励むのが美徳とされた時代もありましたが、価値観が多様化した現在では、そのような考え方は通用しなくなっています。
常勤医師の条件である週四日だけの勤務が可能な医療施設で常勤医師として働き、残りの日は非常勤として、収入の状況や家族の事情などに合わせて勤務する医師が増えてきています。
この働き方なら、常勤医師として就業が保障されて、QOLを充実させることも可能になります。
今後このような勤務形態を望む医師も増えてくるのではないでしょうか。