転職先の経営状態を知る方法

転職先の経営状態を知る方法

経営状態の把握は転職に必要

転職先の経営状態を知る方法

高齢化によって高騰する医療費を抑制しようと、国は医療費削減に取り組んでいます。 その影響で大小の医療施設を問わず、財務状態が順調とはいえない所が増えており、中には潰れてしまうところも出てきています。 転職にあたって絞り込んだ転職候補先の財務状態はどういう状態なのか、事前にチェックする必要があります。 チェックにあたっては机上調査と実地調査を行うと良いです。 ここではまず、転職先の経営状態を知るための机上調査の方法を記述します。

 

経営状態が厳しい医療機関では雇用条件は守られない

転職先が魅力的な勤務条件を提示していたとしても、赤字経営であればその条件が守られないばかりか、雇用そのものが継続されるとは限りません。

破綻するリスクがないことは最低限確認しておきたいところです。

また、破たんには至らなくても赤字続きだと、雇用条件が悪化するケースもあります。このような医療施設が医師の求人を出している理由が、赤字経営を懸念して退職する医師が多いから、ということもあり得るのです。

経営状態が厳しい医療施設とは知らずに転職してしまい、後で後悔しないようにしてください。

財務情報の入手が必要

医療機関の経営状態を知るためには、財務情報の入手が必要です。

財務諸表を見れば、その医療施設の経営状態の良し悪しが判断できます。会計知識がほとんどない人でも、損益を見れば赤字か黒字かはわかります。最低限、黒字経営になっているかどうかは確認しておくべきでしょう。

財務情報の入手に当たっては、医療施設から直接手に入れることは不可能です。医療施設側には転職先探しをしている医師に情報を開示する義務はありません。

また財務状態が良好な医療施設であった場合、開示を求めること行為そのものが、非常に不快に感じさせてしまうリスクがあります。

では、どのようにして財務情報を入手すれば良いのでしょう。

コストをかけられるなら医療法人のDB購入も選択肢に

一つの選択肢として、医療法人のデータベース(DB)を購入する方法があります。

財務情報はもちろん、各医療機関がどの医療法人グループに属しているのかなど、多くの情報を得ることができます。
ただし、医療法人のDBは有料になります。

自分にとって、コストをかけてまで調べる価値がある転職先かどうか、しっかり判断しておく必要があります。医療業界についての知識を深めたいのであれば、財務情報のチェックもできるDBを購入すると良いでしょう。

都道府県庁に申請して財務諸表の閲覧が可能

コストをかけずに財務諸表をチェックしたい場合は、都道府県庁に足を運んでみましょう。

多くの都道府県では、簡単な申請書に記入することで、医療法人の財務諸表を閲覧することができます。転職先探しに役立つ貴重な情報を無料で得ることができるのです。

また、都道府県によっては申請書の提出すら必要ないケースもあります。手軽に情報を入手できるので、自宅や職場に近い場所に都道府県庁がある場合は、財務情報のチェックのために出かけてみると良いでしょう。

ただし、都道府県庁でチェックできる財務諸表は基本的に閲覧のみです。そのため、具体的な転職先候補が決まっている場合の最終チェックにしか役立ちません。医療法人の財務情報を多数入手したうえで比較・検討したい場合は、コピーできない点に注意が必要です。

転職サイトから無料で情報入手できることも

医師が転職を成功させるうえで、転職サイトへの登録は非常に有用性があります。

転職サイトには医療機関に関する豊富な情報が集められており、担当コンサルタントが持っている情報の中には、経営状態の把握に役立つ財務情報が含まれている可能性もあります。

これらの情報は、転職サイトに登録すれば得ることができます。転職サイトは、上手く活用すれば転職を成功に導くことが可能になり、利用価値は高いと言えるのです