透析管理と女性医師が求められている泌尿器科への転科

透析管理と女性医師が求められている泌尿器科への転科

高齢化によって変わりつつある泌尿器科

透析管理と女性医師が求められている泌尿器科への転科

高齢化による患者の増加は泌尿器科にも大きく影響しています。 男性特有の前立腺肥大・前立腺ガンなどだけでなく、女性患者も増えつつあります。 医療施設も今までの体制では患者獲得には至らないことを理解し、体制を変えるところも出てきています。 泌尿器科の転科についてご説明しましょう。

 

地域によって偏りが大きい泌尿器科医師

一般的なイメージでは、医師は不足していると思われています。おそらく泌尿器科医師も足りないと思われているでしょう。

では泌尿器科医師は、以前と比べて減っているのでしょうか。

厚生労働省の「医療施設従事医師数の年次推移、診療科名別」などのデータでは、泌尿器科医師数は2004年から増え続けています。2004年が6,032人であったものが、2017年には6,578人に増え続けています。

これはつまり、地域によって泌尿器科医師数に偏りがあることが推察されます。つまり、泌尿器科医師数は増えているにもかかわらず、まだまだニーズに応えられていない状態であることが分かります。

高まりつつある泌尿器科の需要

高齢化によって、高齢者の排尿時のトラブルや前立腺関連の疾患が増加傾向にあります。
これが泌尿器科医師に対するニーズの高さの原因となっています。

人工透析を管理できる医師が求められている

人工透析患者は週に三度の透析をしなくてはなりませんが、人工透析を管理するには泌尿器科の専門的な知識を持った医師の治療が必要になってきます。

人工透析の管理を誤ると死に至ることもあるので、透析管理は重要な役割を担っています。また、透析に必要なシャント造設手術を行うことができればより渇望されます。

女性のドクターが歓迎される

高齢化によって、泌尿器科では女性患者も多く受診するようになりました。

女性の疾患としては尿もれや、骨盤内の臓器が下垂してくる骨盤臓器脱、その他の泌尿器系疾患も増えています。女性患者はやはり女性医師を求める傾向が強く、医療施設もこの点に配慮して、女性医師を求めています。

泌尿器科に転科するために必要な要素

ニーズが高い泌尿器科に転科するためにはどのような要素が必要になるのでしょうか。

患者の気持ちに寄り添う意識

泌尿器科の疾患は下半身の疾患ですから、患者も人に話すことができずに悩んでいる場合がほとんどです。

患者の心的負担を軽くするためにも、コミュニケーションを円滑にできる医師が向いていると言われています。

医療施設によっては手術への対応も

泌尿器科では前立腺の手術だけでなく、腎臓などの腫瘍除去など、多くの手術を手がけています。

腹腔鏡手術や前立腺肥大における内視鏡での治療、シャント造設、カテーテル治療などもあり、腎臓移植などの移植手術も行う場合があります。ただし、これらは医療施設によって実施している場合と、専門施設に患者を送る場合があるため、転科先の病院によって変わってきます。

今後は女性医師も活躍できる

医師国家試験での女性合格者は増えてきていますが、現在は泌尿器科に勤務する女性医師は多くありません。

女性患者の増加は女性医師のニーズも高めており、医療施設側も女性泌尿器科を新たな診療科として設ける場合や、女性患者だけを対象にした外来日を定めるなどの対応を取り始めています。

また婦人科からの依頼で泌尿器科が連携して治療にあたるケースも増えてきています。この傾向は高齢化によって今後も続くはずであり、女性医師に対するニーズは今以上に高まっていくことが考えられます。

将来的に開業を視野に入れることも可能

泌尿器科の医師は経験を積み、ベテランになると開業する医師が非常に多く見られます。

また、将来的な開業に備えて泌尿器科に転科してくる医師も多く存在します。

透析クリニックを標榜すれば開業医として独立することも比較的容易であり、自由診療での包茎手術などを売りにすることも可能です。将来的に開業を考えるのであれば、泌尿器科への転科は有利に働くと言えるでしょう。