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医師不足が叫ばれる中、高齢化は医療に対して大きく影響しています。 特に産婦人科領域では、初産年齢の高齢化によってハイリスク出産が増加しつつあります。 本来であれば、産婦人科医は増やしていかなければならないにもかかわらず、相次ぐ訴訟によって産婦人科医の減少に歯止めがかからない状態になりつつあります。 このような状況の産婦人科において、転職はどうあるべきなのでしょうか。 また何に留意して転職を考えるべきなのでしょうか。
目次
かなり以前から分娩ができる施設の減少が問題になっています。
この背景には少子化の影響による分娩施設の閉鎖や集積化がありますが、産婦人科医師の減少も少なからず影響しています。勤務する場所がなく、気苦労が多いにもかかわらず訴訟のリスクを抱えているから産婦人科医にならない。
一方、分娩施設は少子化で経営状態が悪化するだけでなく、勤務する医師もいないために閉鎖や集積していく。つまり負のスパイラルになっていると言えるでしょう。
分娩施設と産婦人科医が減少する一方で、産婦人科に対するニーズは高まりつつあります。
一つは初産の高齢化です。
初産の高齢化はハイリスク出産になるため、経験豊富な医師が求められる結果になっています。
もう一つは不妊治療です。
近年では晩婚の傾向にあり、少しでも早い妊娠を望む夫婦が不妊治療に希望を託すケースも増えてきています。
そのため、不妊治療を専門にしたクリニックも多く見られるようになってきました。そしてもう一つの傾向として、更年期専門外来など、専門外来を新たに設立する医療施設の存在です。
不妊治療や更年期外来は、従来産婦人科内で診療していましたが、より専門家・細分化されつつあります。これらによって、産婦人科医師に対するニーズは確実に高まりつつあります。
減少しつつある産婦人科医に対する取り組みは、各医療機関で進められています。
患者に対して決まった主治医が担当する主治医制を廃止することで、訴訟リスクの排除と労働環境を改善することを進めているところや、勤務日を週4日にしているところ、年収を高めているところもあります。
また女性医師が多い20歳代後半から30歳代後半の世代だけでなく、男性医師に比べてほぼ倍の人数がいる新規専攻医を積極的に取り込むために、病院内に託児所を設けるなどの試みが実施されています。これらは全て労働環境の改善と収入のアップにつながっていると言えるでしょう。
産婦人科の求人は大規模病院だけでなく中小クリニックまで多様です。
病院の規模や症例の内容、つまり分娩数や手術数だけでなく、産婦人科と併設されることの多い小児科の対応内容、不妊治療の有無などにより、医師に求められるスキルや経験は違ってきます。大都市圏では手術にも対応できるスキルがある医師が多く求められています。
また、婦人科領域の検診や読影などに特化した求人も見られます。
産婦人科医としてのキャリアアップを考えるのであれば、専門医資格を取得するために学会認定施設である国公立病院なども視野に入れるべきでしょう。
また、近年非常に注目されている不妊治療は、需要そのものは増えているものの、生殖医療専門医数はまだまだ少ない状態です。
不妊治療専門クリニックや専門外来なども増えつつあり、産婦人科医としてのキャリアアップを目指すのであれば、これらを転職先として候補に入れるべきでしょう。
不足する産婦人科医を何とか確保しようと、各医療機関は労働条件の改善に努めています。
この状況は転職を考える医師にとって非常に有利と言えますが、労働条件を細かく把握することは大変厄介です。
転職サイトに登録して、コンサルタントに希望する労働条件を相談することで、希望に合致した転職先候補を効率的にピックアップできるようになります。転職サイトを是非活用してみてください。