描く将来像によって転職先は変わる

専門性とジェネラリストを見定める必要がある外科医師

外科を標榜している医療施設は多くありますが、消化器外科や胸部外科など、専門外科を標榜しているところは大規模病院や国公立病院、大学病院などに限られています。 そもそも患者にとって専門外科の詳細な違いは認識しづらく、外科と掲げているだけの医療施設も存在しています。 本来、外科だけの標榜であれば一般外科を指すはずですが、このような背景は外科医師の転職にとってどのような影響があるのでしょうか。 また外科の転職事情とはどのようなものなのでしょうか、ご説明しましょう。

医療施設によって必要なスキルが変化

外科医師に求められるスキルは、病院の規模や診療科によって変わってきます。

例えば消化器外科や胸部外科などを標榜するような専門特化した医療施設では、その領域に関する専門家とスキルが求められています。また外科との標榜であっても、特別なスキルが必要になる脳外科、心臓外科以外の幅広い領域でのスキルを求める場合もあります。

中小病院では単純な外科的処置だけで、ほとんど手術をせず、手術が必要な場合には対応可能な医療施設に転送する所もあります。

これ以外に療養型医療施設などで、本来手術などはないものの、胃ろうやカテーテル交換のために外科医を求人しているケースも見受けられます。すなわち、医療施設によって医師に求めるスキルなどは変わってくるのが現状です。

専門性かジェネラリストかを選択

医療施設によって外科医師に求めるスキルが変化するということは、転職を考える医師は、外科医師として今後は専門性を高めたいのか、ジェネラリストとして活躍したいのかをまず考えておかなくてはいけないということでもあります。

専門性を高めたいにもかかわらず、一般外科に転職しても意味はありませんし、その逆も同様です。

また、専門性を高めるために転職を考えるのであれば、転職先の技術や取り組み姿勢、症例の傾向なども確かめておく必要があります。自分の目標とする専門性を備えているかどうかを事前にしっかり確認しておく必要があるということです。

一方、ジェネラリストとして活躍したいと考えるのであれば、その医療施設の地域におけるポジションや患者からの評判なども事前に確かめておくべきでしょう。

今までのスキルを活かせるかどうかが重要

専門性を高めるための転職に際しては、他にも留意しなければならない点があります。

それは自分と同じ手術の術式などを転職先で採用しているかどうかです。全く異なる術式を採用している場合には、今までの経験が役に立たないばかりか、今後のスキルアップにも障害になる可能性があります。

採用している術式などは事前にしっかり確認しておくようにしましょう。また、転職によって他の診療科も兼務しなければならないケースもあります。このような場合、今までと色合いの違うスタッフと連動する必要があるため、コミュニケーション術も重要となります。

転職サイトの重要性

外科領域における転職は、標榜する診療科だけにとどまらないケースも多々あります。

都市部の大病院などではこのような懸念は不要ですが、地方の中小病院では診療内容が幅広くなりがちです。思い込みだけで転職してしまったら、後で後悔することがあるかもしれません。

特に外科の転職に際しては、転職サイトを活用することで、このような失敗を防ぐことができます。担当コンサルタントが外科医師としての将来像をヒアリングで把握し、希望に沿った転職先を提案してくれます。

また今までの経験を活かし、キャリアアップにつなぐことができるかどうかも視野に入れた提案をしてくれます。これは求人先のニーズだけでなく、先方の情報も細かく把握しているからこそできることであり、外科の特殊性を理解しているからこそできることなのです。

転職サイトの有用性は、外科の転職で特に発揮されることを知っておいてください。