転職の地域や科目によって変化する医師の年収

転職の地域や科目によって変化する医師の年収

高収入が見込める地域と診療科とは?

転職の地域や科目によって変化する医師の年収

日本の医師数は全国的に不足していますが、地域や診療科によってその不足度合いは異なります。 不足度が大きいほど労働条件や年収などが良くなる傾向があるのは、一般の労働者だけでなく、医師も同様です。 すなわち、転職先の地域や診療科目によって年収が変化するのです。 **転職の目的を年収アップに置くのであれば、高年収が期待できる地域や診療科を把握**しておくべきではないでしょうか。

 

医師不足の地域とは?

全国的に医師数は不足していますが、地域によって偏りがあります。

不足してはいるものの、深刻な状態ではない、もしくは深刻な医師不足であるなどの違いです。

一般的なイメージでは、東京や大阪などの都市部とその周辺エリアでは医師が比較的多く、地方部では医師不足が深刻、ととらえがちです。

しかし実際には東京の周辺エリアで医師不足が深刻な状態になっています。厚生労働省発表の平成26年度「人口10万対医師数」データによると、人口10万人に対する医師数で、最も多いのは京都府の307.9人、次に東京都の304.5人、三番目が徳島県の303.3人の順になっています。

意外にも東京都よりも京都府の方が多いのです。また三番目は徳島県となっています。これは、地方部なら必ずしも医師が不足しているわけではないことを示しています。

一方、医師数が最も不足しているのは埼玉県の152.8人です。次が茨城県の169.6人、三番目が千葉県の182.9人となっており、いずれも東京周辺エリアの医師数が不足していることが分かります。

医師不足が深刻なエリアで高めになる年収

医師が医局に属さなくなるケースが増え、自分で職場を探すようになっている現代では、医師にも需要と供給のバランスが存在するようになりました。

そして、不足している地域では医師を確保するために年収を高く提示する傾向が顕著です。なかなか人材が集まらないため、高年収を提示せざるを得ないからです。

高年収が得られるとしても、家族の都合などを考えると地方での勤務は難しい、という医師もいるでしょう。

ところが上記データのように、大都市の周辺エリアでも医師不足が深刻な地域はあるのです。

例えば、東京都で転職先を探すと年収は低くなりがちですが、すぐ隣の埼玉県や千葉県では高額求人が見つかる可能性が高いのです。細かくエリアを見ていくと、同様の例は他にもあるはずです。

転職で年収アップを実現したいと考えるのであれば、医師不足が深刻な都道府県の求人を狙ってみることが効果的な手法と言えます。

ただし、医師不足な地域への転職は、人手の少なさによって業務が激務になる可能性が高くなるため、仕事量がどの程度のものになるか、またその激務に見合う年収かどうかを見極めておく必要があります。

医師不足の診療科とは?

地域によって医師数の偏りがあるだけでなく、診療科によっても医師不足の度合いは異なります。

この場合も需要と供給のバランスによって、医師不足が深刻な診療科ほど、高年収が期待できるようになります。

一般的に医師不足の診療科は小児科や産婦人科などのイメージがありますが、これらの診療科は訴訟に対するリスクや病院の経営面などから需要も比較的限られています。そのため求人数だけでみると、決して不足しているとは言えない状況です。

一方、診療科において多くの求人があるのが内科です。

病院に行く患者の半数は内科の患者であり、医師もそれに伴っています。また内科は医師数こそ多いものの、多種多様な患者を診察する必要があるため、慢性的に内科医は不足しているのです。

内科の中でも特に医師が不足している診療科

医師不足の傾向にある内科は、より細かな診療科に分けることができます。

内科の中でも特に医師不足が深刻な診療科は、一般内科や循環器内科、消化器内科などです。これらの診療科は医療施設でも多く設置されており、受診する患者も多いため、医師数も多く勤務しています。これはつまり、ポストが空きやすい診療科とも言えます。

転職で年収アップを希望するなら医師不足エリア&診療科がオススメ

年収アップを転職の目的にするなら、医師不足になりがちなエリアや診療科を狙うのが得策と言えます。

また診療科別では内科の求人が多く、内科医の場合は転職のチャンスは多いと言えるでしょう。但し、勤務先を医師不足エリアに広げたり、内科医師として転職エリアを広くして検討する場合は独力で求人情報を探すことはまず不可能です。

このような場合は転職サイトを活用して、広い範囲から転職先を探しましょう。コンサルタントが希望条件にマッチした転職先を探してくれるはずです。