高齢化が医師のQOLを高めつつある

医師不足のためハードさを事前に把握したい小児科

日本における医師数は毎年4,000人ほど増えていると言われています。 そんな状況にありながらも、小児科医は減少しつつあります。 小児科医の不足によって、救急での対応もできず、地方では小児科の閉鎖という病院も出てきています。 どうしてこれほど小児科医は不足しているのでしょう。 また小児科の転職に際しては、どんなことに留意しておけば良いのか、ご説明しましょう。

小児科医師が不足している背景

小児科医師が減少しつつある最も大きな原因が医療訴訟です。

病気の子供に対して適切な治療を施していたとしても、万が一、亡くなってしまうと親が訴訟を起こす場合が増えてきています。

また子供は突然発熱することもあり、その都度対応しなくてはいけません。入院している時にも大人と比べて手が掛かります。

大人の治療に比べて子供の治療には苦労が多いにもかかわらず、訴訟を起こされてしまうと、たとえミスはないことが証明されたとしても、それを立証するまでにストレスが溜まってしまいます。

小児科医師になりたがらない医師が多いのも納得せざるを得ない状況だと言えるでしょう。

高齢化は小児科にどう働くのか

高齢化によって、高齢出産の比率が高くなりつつあります。

高齢出産には早産だけでなく、産まれた子供に先天性疾患などの危険性が高まることが指摘されています。

高齢出産が増えたことによって、新生児集中治療室や新生児治療回復室のニーズが増え、新設されるだけでなく、そこに従事する医師などが必要になってきています。

これらの施設は24時間体制での治療・看護になるため、医師やスタッフのQOLも保たれています。すなわち、高齢化が小児科医師の必要性を高め、QOLをも確保する動きになりつつあるのです。

小児科の転職に際し留意すべき事とは

高齢化が小児科医師のニーズを高め、なおかつQOLも確保できる環境を整えつつあるとはいえ、この動きが全国の小児科に及ぶにはまだまだ時間が掛かるでしょう。

現時点では仕事そのものがハードな小児科医師が転職に際して留意すべきことは以下のような事項です。

年収だけで判断しない

転職先を選ぶ際に、年収の多さだけで判断するべきではありません。

今でもハードな勤務状態であるにもかかわらず、もっと激務になってしまうと、心と身体を壊しかねません。ハードであっても、どの程度のハードさなのか、つまりどこまでの仕事をこなす必要があるのかを必ず把握するようにしましょう。

小児科全体の勤務体制を把握する

転職先に小児科医師が少ない場合、必然的に仕事のハードさが増してしまいます。
小児科全体の医師数や勤務体制を確認することが、忙しさを判断する目安になります。

専門医資格の取得

小児科の専門医資格を取得しているか否かは、医師としてのキャリア形成に大きく影響します。

専門医資格を持っていない場合には、転職先は専門医資格を取得できる施設なのかも確認しておくべきです。資格取得に必要な症例数はあるか、どんな指導医がいるのか、設備は整っているのかなどは重要なチェックポイントになります。

まだ少ない転職先を見つけるために必要なこと

給与面を考慮せずにQOLだけを考えた場合、小児科医師にとって働きやすい環境が整っているのは新生児集中治療室や新生児治療回復室への転職でしょう。

これらが新設されつつあるとはいえ、まだまだ数は少数です。求人情報があったとして、給与面が働き方に見合ったものであれば、応募は殺到することが考えられます。

その場合、いかに求人情報を早く知るかが重要になってきます。また従来の小児科に転職するのであれば、労働条件などの詳細を知っていなければ、転職してから後悔しかねません。

これらのことは転職サイトに登録すれば解決することができます。新生児集中治療室や新生児治療回復室などの求人情報は早く入手でき、従来からある小児科の労働条件の詳細も正確に知ることができます。
転職サイトを有効活用して、小児科医師として快適に働ける環境を手に入れてください。