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病気やケガなどの患者に対して、24時間、診療科を問わずに診療し、救命処置や集中治療を施すとともに疾病やケガの内容によっては、それに対応した診療科と連携することもあるのが救急科です。 多くの命を救うことになるため、非常に激務でありながらもやりがいも感じられる、医療現場における花形的存在の診療科ですが、救急科の転職事情とはどのようなものなのでしょうか。
目次
平成22年の厚生労働省の必要医師数実態調査によると、救急科の現員医師数は2,610.1人に対し、必要医師数は725.9人、倍率では1.28倍と非常に高い倍率になっています。
必要医師数実態調査内の診療科では倍率が最も高いのはリハビリ科の1.29倍ですが、その次に倍率の高いのが救急科ということになります。
どれほど救急科医師が求められているのかが分かるでしょう。
また特徴的なのが、救急科の必要医師数725.9人のうち、非常勤医師の必要医師数が107.9人にも上る点でしょう。
同調査の中で非常勤医師の必要医師数が近いのは精神科の110.9人ですが、全ての必要医師数は1200.9人となっています。
これはつまり、救急科では非常勤医師も多く求められているということが把握できます。
救急科には色々な患者が搬送されてきます。
急病はもちろん、事故やケガ、中毒など、あらゆる患者がいます。
患者が重症であった場合には救命処置や集中治療を救急科で施し、経過を見ながら症状に応じた診療科との連携も必要になってきます。
いつ患者が搬送されてくるのかは分からず、複数の重症患者が搬送されてくることもあり、非常に激務になります。
救急科医師には素早い診断力ばかりではなく、処置をする能力も求められます。
また各診療科からのバックアップも必須であるため、各診療科医師との的確なコミュニケーションができる能力が求められます。
救急科では急病だけでなく、事故やケガ、中毒などの患者も搬送されてきます。
素早い診断力ばかりか処置能力も必要なため、救急専門医が重宝されますが、求められているのは専門医ばかりではありません。
一般外科や脳神経外科、麻酔科、産婦人科出身の医師も求められています。
そして、求人を出しているのは救命救急センターだけではありません。
二次や三次救急指定病院などからも募集があるのは、このような医療機関では救急科だけを担当する医師が存在しておらず、基本的に各診療科で救急に対応していることも背景にあるでしょう。
特に若手医師に対する募集が多く見られるのは、激務であることや若手医師にとって多くを学べる医療の現場であることにも起因しています。
専門医資格が転職をする際に有利なだけでなく、医師のキャリア構築にも必須であることは良く知られています。
専門医資格を取得することが有利であることは、救急科医師にももちろん当てはまります。
救急科専門医を取得するためには、まず申請時に以下の条件をクリアしていることが求められます。
これに加えて、治療実績も審査されます。
必須の手技としては心肺蘇生や気管挿管、中心静脈カテーテル穿刺などがあり、経験が望ましい手技として心嚢穿刺や胃洗浄などがあります。
また、これらの手技は必須手技の場合は各症例で5例づつ必要であり、経験が望ましい手技に対しては、各疾病を分類し3例までの合計20例以上を申請しなければなりません。
なおこれらの手技は、申請医師本人が術者であった場合の実績でなければカウントされず、かかわった症例に対する実績ではありません。
もちろん、上記以外にも知識や実績などに対する必要な項目が詳細に規定されており、救急科での勤務年数だけがあれば取得できるものでもありません。
救急科医師の年収で多い年収層は1,000万円から1,200万円に位置しており、それよりも高年収な1,400万円以上の年収を得ている医師が多い地域は北海道と東北地域で、次いで九州地域となっています。
関東や関西などの都市圏も、九州地域に次いで多い地域になっており、地方で年収が高い傾向はあるものの、それほど顕著でもないことが読み取れます。
救急の専門医資格を取得するためには、勤務年数だけでは解決できず、症例数が多い地域や医療機関に勤務していなければ、専門医を取得できません。
消防庁発表の平成26年版救急救助の現況によると、救急搬送される人数の多い県は、東京、大阪、神奈川など大都市に多い傾向が見られます。
この中で特徴的なのは、大阪の救急搬送患者は比較的重篤な患者が少ないことでしょう。
その一方で、救急搬送される県として順位はそれほど高くないものの、重症患者が多く搬送されているのが福岡県となっています。
専門医資格の取得を考えて転職するのであれば、これらのことを考慮して転職すると、取得が比較的早くできる可能性が高くなることを覚えておくべきでしょう。