転科してくる医師も多いリハビリテーション科

転科してくる医師も多いリハビリテーション科

新設される医療機関も多い

転科してくる医師も多いリハビリテーション科

病気やその治療などで機能や能力に障害が出た場合に、それらを回復や改善に導いたり、残っている機能や能力で社会や家庭に復帰できるようにするのがリハビリテーション科です。 高齢化に伴ってニーズが急速に高まっているリハビリテーション科が、診療科として確立されたのはまだ最近のことであるため、幅広い診療科の医師が転科してきています。 このようなリハビリテーション科の転職事情はどのようなものなのでしょうか。 詳しくご説明しましょう。

 

リハビリテーション科医師の必要医師数倍率は高い

厚生労働省発表の平成22年必要医師数実態調査によると、リハビリテーション科における現員医師数は1,750.1人であり、現員医師数だけで比べると形成外科の1,780.1人と近い医師数になっています。

また現員医師数に対する必要医師数の倍率は1.29倍になっており、倍率だけで言えば救急科より高い数字になっています。

これはつまり、リハビリテーション科の医師を多くの医療機関が求めている現実を表しています。

リハビリテーション科に転科する医師が増えている

急速に進む高齢化によって、機能障害や能力障害の患者は増えており、それに伴ってリハビリテーション科も確立されてきました。

リハビリテーション科は元々脳神経外科や整形外科などの患者が機能回復のために受診する機会が多く、それ故にこれらの診療科の医師がリハビリテーション科に転科しているケースが多く見られます。

最近では心臓外科や呼吸器内科などから転科してくる医師も増えてきています。

また新専門医制度の基本設計で、リハビリテーション科が専門医の基本領域として規定 されたこともあり、今後はますます注目も高まってくるはずです。

リハビリテーション科医師の働き方

リハビリテーション科の対象患者は主に回復期にある患者となるため、基本的に外来はありません。

また当直もないため、急患やオンコールなどで夜中に対応しなければならないケースはありません。

規則正しい勤務ができるため、QOLを重視したい医師にとっても非常に魅力的な診療科であると言えます。

リハビリテーション科では、患者に対してチーム体制で治療に取り組むため、理学療法士、作業療法士などが訓練を担当し、医師はチームリーダーとしてチーム全体がうまく機能するよう指導する立場となります。

リハビリテーション科が求める医師像

リハビリテーション科が受け持つ患者がリハビリを受けねばならなくなった原因疾患は様々です。

骨折や切断、脳血管疾患、脳性麻痺、末梢神経疾患、脳卒中、脊髄損傷、関節リウマチなど非常に広範囲にわたります。

これらは整形外科や脳神経外科、神経内科などが受け持つ疾患です。

つまり患者は、色々な診療科から回復のためにリハビリテーション科に来ているわけです。

リハビリテーション科の医師は、患者の受診していた診療科と連携を図りながら、しかも自らのチームである理学療法士、作業療法士などとコミュニケーションをとって患者の回復に努めなければなりません。

そのためには各診療科に対する知識はもちろんのこと、チームをまとめられるリーダーシップも必要になってきます。

リハビリテーション科医師の求人状況

超高齢化社会の到来によって、リハビリテーション科の潜在的患者は急速に増えつつあります。

また新専門医制度で専門医の基本領域に規定するなど、国もリハビリテーション科の重要性を認識していることからも、患者の急増は間違いない事実でしょう。

これにより、リハビリテーション科を新設する医療機関も全国的に広がっています。

もちろん求人そのものも全国的に増えつつあるため、転職の際には広い地域から転職先を選択することが可能だと言えます。

リハビリテーション科医師の年収

リハビリテーション科医師の年収では、1,200万円から1,400万円の間に位置する場合が最も多く、1,600万円近くの年収を得ている医師も多く存在しています。

地域別の年収では、他の診療科と同様に地方での高年収が目立つ傾向にありますが、関西や関東などでも高年収が存在しています。

これはリハビリテーション科そのものがまだ最近確立されたこと、高齢者の潜在的患者が全国的に存在していることなどが要因となり、リハビリテーション科を新設する医療機関が全国のあちこちで出てきていることが影響しているのでしょう。

また新専門医制度の影響も無視できないため、今後の動向に注視する必要があると言えます。

転職に際しての留意点

リハビリテーション科を新設する医療機関が増えつつあることは、転職において求人情報をいかに早くキャッチするかが重要です。

特に新設する場合は、他の医療機関に知られないよう、非公開求人として募集するケースが多く、転職サイトでしか情報を得ることはできません。

非公開求人は、転職サイトに登録している医師の中から医療機関の希望する応募資格に合致している医師に対してだけ、コンサルタントから応募を提案されるものですので、転職サイトへの登録が必須です。

リハビリテーション科での転職は、転職サイトを活用するからこそ成し得るものなのです。