医療機関のニーズが非常に高い診療科

幅広い求人先がある消化器内科医師への転職

胃や食道、大腸や小腸に加え、肝臓、膵臓などの疾患を内科領域的に診療・治療する消化器内科は、非常にニーズが高い診療科でもあります。 一般内科と共に医療機関からのニーズが高い消化器内科医師は、特に慢性期病院やクリニックだけでなく、健康診断や人間ドックなどを実施している医療施設からの募集が多く見られています。 このような消化器内科の転職事情とはどのようなものでしょうか。

必要医師数では一般内科と同程度

厚生労働省の平成22年必要医師数実態調査によると、常勤医師の必要医師数は991人で、短時間正規雇用医師と非常勤医師を合わせた必要医師数は74.7人となっています。

必要医師数の倍率は1.14倍になり、この倍率は一般内科と同じものとなります。

また単純に必要医師数だけを比較すると、内科で最も多いのが一般内科で、次が循環器内科、そしてその次に消化器内科の必要医師数が多い結果になっています。

つまり、消化器内科医師に対するニーズは非常に高いことが分かります。

消化器内科医師を求める医療機関とは

消化器内科医師を求めている医療機関は多岐に渡っています。

慢性期病院やクリニックなどだけでなく、健康診断や人間ドックなどを行なっている医療機関まで幅広いところからの求人が見られます。

特に慢性期病院やクリニックでは、消化器内科専門の診療科を標榜しているところも多く、このようなところでは経験豊富な医師に即戦力となって勤務して欲しいはずです。

病院以外にも多い転職先

消化器内科は守備領域が広範囲にわたるため、医師の転職先も病院をメインに考える必要はありません。

病院以外のクリニックや在宅医療専門施設、健康診断施設など、守備領域の広さが転職先の幅広さにもつながっています。

また働き方そのものも常勤だけでなく、非常勤やアルバイトなどもあるため、キャリア構築のために専門性を重視して経験を積み、スキルを磨いていくのか、それとも幅広い対応ができるジェネラルなスキルを身に付けるのかを明確にしておく必要があるでしょう。

消化器内科で求められる医師像

消化器内科が受け持つ領域は幅広く、総合内科的なスキルを持つ医師が重宝されます。

それゆえに求人募集している医療機関の診療科や診療体制、保有ベッド数などによって、求める医師像も変わってくるのが特徴です。

消化器内科を標榜する専門の医療機関では、多くの症例経験があり、内視鏡スキルの高い専門医を欲しがります。

高齢者が療養する医療機関や精神科、リハビリ科などでは、消化器内科だけでなく総合内科として診察・治療できる医師を求めています。

健康診断や人間ドックなどを行なっている医療機関では、内視鏡のスキルだけでなく、レントゲンや心電図などの読影も含めて対応できる医師が非常に重宝されます。

すなわち消化器内科の医師には、消化器内科領域を軸として、求人先の診療科に合わせた総合内科的な幅広いスキルが求められているのです。

地方での年収が高い傾向にある消化器内科医師

消化器内科医師の年収は、全国的に見ると1,400万円から2,000万円の中に納まっているケースが多く、医師の中でも比較的高収入と言えます。

地域別では首都圏などの都市部では低い傾向がある一方で、地方などでは比較的高い傾向を示しています。

これは一般的な医師の地域別年収傾向と同様であり、医師不足に悩む医療機関が高い年収を設定することで何とか医師を確保したいということの表れでしょう。

今後消化器内科医師に求められるものとは

今後の日本では高齢化がますます進み、その対応が必須となっていきます。

消化器内科医師の勤務先も、それに応じて病院やクリニックだけでなく、老人施設や介護施設、リハビリ病院などに加え、在宅医療分野に今以上に拡大していくはずです。

このような場合に必須となるのは上部内視鏡や下部内視鏡などのスキルです。

今後はこれらのスキルや経験が重要視されてくることは間違いありません。

また高齢者が増えることにより、患者の気持ちを解きほぐし、リラックスして診察や治療を受けてもらうためのコミュニケーションスキルも重要視されてくるはずです。
コミュニケーションスキルは短期間で身に付くものではありません。

消化器内科医師は早いうちからコミュニケーション技術の向上を意識しておく必要があるでしょう。

幅広い求人先の中で転職を成功させるために

上記のように消化器内科医師には幅広い転職先があります。

転職先によって、年収や待遇などは違いがあるはずですし、勤務地域によってもこれらは異なります。

すなわち消化器内科医師は、非常に多くの求人情報の中から自分の希望条件にマッチした転職先を探し出さねばなりません。

転職先が例えば病院だけと絞れているのであれば、条件や待遇も比較しやすいですが、クリニックや検診施設、在宅医療施設など幅広くなってくると、比較することすら困難になってきます。

転職サイトに登録しておけば、コンサルタントが希望条件に合致した転職先を提案してくれ、なおかつ勤務先の勤務環境なども説明してくれます。

選択肢が多いこのようなケースこそ、転職サイトを有効活用すべきでしょう。