医師の転職理由で多いこと

医師の転職理由で多いこと

転職自体は悪いことではない

医師の転職理由で多いこと

転職を考える医師は非常に多いですが、ほとんどの場合、今の勤務先を辞めて他の医療機関に転職することは正しいのだろうか、このような理由で転職することは間違っていないのだろうかと悩むことが多いようです。 実際に転職をする医師は、どのような理由で転職したのかを知っておくことは、このような悩みを解決するための一助になるのではないでしょうか。 医師の転職理由で多いものについてご説明しましょう。

 

転職理由の例で多いもの

医師の転職理由で特に多いものを、例を挙げて説明しましょう。

内容例に多少の違いがあっても、転職を考える原因そのものは以下に包括される場合がほとんどです。

家庭の事情など

医師の家庭の事情でやむなく転職せざるを得ないケースです。

  • 仕事が激務で、なおかつ長時間拘束されてしまうため、自宅へはただ寝に帰るだけになってしまっており、家族と触れ合う時間が作れない
  • 子供の将来的な進学を考えると、通わせたい学校が自宅近くに無く、転居を考えているため、転居先に近い勤務先を探したい。

上記のような職場そのものに対する不満などが原因ではなく、家庭を優先に考えると、今の勤務先で働き続けることができないために転職を考えるケースです。

医局を退職する

大学病院の医局を退職し、大学病院以外の医療機関に勤務するというケースです。

  • 短期間での異動が頻繁にある医局人事に疲れてしまった。
  • 医局の人間関係に疲れてしまい、学位や専門医資格を取るまではと辛抱していたが、無事に取得できた。
  • 医局の上司ともともと気が合わなかったが、ぶつかってしまった。

医局を退職する場合には、上記のような医局のあり方や上司、同僚との人間関係に嫌気が差してしまって転職を考える場合です。

勤務の大変さなど

勤務の負担が大きすぎて、このまま続けることができないというケースです。

  • 緊急のオペやオンコールなどが非常に多く、年齢的にこの状態のまま勤務を続けることは体力的に厳しい
  • 当直では専門外の対応もせざるを得ない状態で、なおかつ当直明けで手術や外来まで受け持つことが頻繁にある。
  • 医師数が少なく、その分仕事量も多いため、休日も満足に取れない

上記のように、年齢的に若い医師であっても激務過ぎて続けられない場合や、若い頃は何とかこなすことができたが、年齢的な体力の衰えから、勤務を続けるのが苦痛になってきた場合などで転職を考えるパターンです。

人間関係の悪さなど

人間関係の悪さが仕事に大きく影響しており、転職を考えるというケースです。

  • 仕事の分担を決める上司と気が合わず、他の医師と露骨に仕事量の不公平がある。
  • ワンマン経営の院長のせいで同僚医師がどんどん辞めていき、仕事量が増えていく一方になっている。
  • 看護師長が何かにつけ文句を言い、素直に指示に従ってくれず、どちらが医師か分からない状態になっている。

上記のように、人間関係が悪いだけならまだしも、それが仕事そのものに影響しており、正常に勤務できない場合などに転職を考える医師が多く存在します。

給与面や待遇面など

勤務先の給与や待遇などが今のままでは低すぎるために転職を考えるケースです。

  • 転職時に提示されていた勤務条件が、勤務するにつれ少しづつ変わってきてしまっている。
  • 子供の教育費用などが今後もっと必要になるにもかかわらず、給与は上がらず、生活が厳しくなってしまう。
  • 当直やオンコールだけでなく、休日も満足に休めないにもかかわらず、年収が低すぎる。

収入面や待遇面などに対する不満は、医師の中でも非常に多く見受けられます。

勤務内容と年収が見合わない、今のままでは生活が厳しくなる、採用時と勤務条件が変わってきた等は非常に切実な悩みです。

医療機関の経費削減はこういうところにも影響してきています。

医師としてのキャリア構築など

医師としてのキャリアを積むために転職を考えるケースです。

専門医として必要な分野の症例が減少してきており、このままでは資格を維持できない。
今の勤務先では目標とする専門医資格を取得することができない。
開業を視野に入れているため、開業医の雇われ院長として働くことで、経営ノウハウなどを学びたい。
この場合の転職は、医師としてのキャリアを考えた際の積極的な転職と言えます。

転科など

現在の診療科から別の診療科などに転科することを考えた場合の転職です。

  • 今はまだ後期研修中であり、別の診療科に興味を感じたため、早い時期に転科したい。
  • 外科系の診療科に勤務しているが、将来を考えると内科領域にも対応できるようになっておきたい。

本来は、今の勤務先に勤務したまま転科することも可能なことも多いのですが、転科をする医師はほとんどの場合、転職と同時に転科しているようです。

転職自体はいけない事ではない

一般的に前向きな転職は誰でも納得できる場合がほとんどですが、現状に対する不満などから転職を考える、後ろ向きの転職は納得しづらいことも多いはずです。

それゆえに、転職すべきかどうか悩む医師が多いのです。

しかしながら、無理な勤務を続けて、心や身体を壊してしまう医師がいることも忘れてはなりません。

転職は決して安易にするものではありません。

目の前の高収入や好待遇だけを目標にして転職を重ねてしまうと、医師としてのキャリアを構築することができず、将来的にはマイナスの転職になってしまいます。

しかしながら将来を見据えて、キャリアプランに乗っ取った転職になるのであれば、プラスの転職と言えるのではないでしょうか。

多くの医師が転職を考えた理由を参考に、転職すべきかどうかを検討してみてください。